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暗殺教室 「共依存」多川心菜とイケメグ  [暗殺教室]

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茅野カエデ回ほどではないにしろ、当初は久々に「キターー」となった多川心菜。
多川心菜(たがわここな)の名前の元になった人物もきちんと忠臣蔵にいてます。
「多川九左衛門」
赤穂藩でも重臣クラスなのだが、

「多川は浅野家第一の武功がある者の養子なのに卑怯極まりない者である」
と、書状で罵られている。
江戸にて殿中刃傷が起こった後、大石内蔵助が書状をしたためてこの多川ともう一人を
江戸に向かわせている。しかし、行き違いが起こって、大石の意と反する結果になる。

結局、お家取り潰しの後は仇討もやめて消息不明。




さてさて、ジャンプ最新号を読みました。
クリスマス、大晦日、正月といった年末イベントをすべてスルーというちょっと驚きの展開ですが、
それだけ衝撃的だったということでしょうね。
茅野カエデの復讐・暴走から、殺せんせーの過去告白。そこからの「空白の時間」の表現だと思います。


もう個人回はないでしょうね・・・。


今回はアニメ化を期待しつつもスルーされてしまった「イケメグ回」から
クズキャラ@多川心菜をクローズアップしてみます。

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「イケメグ回」が飛ばされてしまったので、アニメでは今一つパッとしない片岡メグ。
磯貝とともにクラスの司令塔としてカリスマ性でひっぱっていく存在感が
際立たないのが残念ですね。
もちろん迷作「屑殺せんせーの紙芝居」も出てきません。




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前作「魔人探偵脳噛ネウロ」ほどではないが、「暗殺教室」にも作者の特産物ともいえるクズキャラ、キ〇ガイキャラが出ている。

鷹岡、弟子死神は除くとして、クズキャラが際立っていたのは「前原回」の土屋果穂と、「イケメグ回」の多川心菜だ。残念ながらアニメの方では省略されてしまった。期待していたんだが・・・・・・。特にイケメグ回は真面目な委員長が行き掛かり上、魚人のコスプレをし「わたしは魚魚(うおうお)」と名乗るのだ。ちょっとした羞恥プレイみたいなものである。
殺せんせーに「堂々と演じて夢の世界だと思わせなければ、我々のしていることは拉致です」と真面目なフォローを入れられている。


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イケメグこと片岡メグはE組の女子のクラス委員でもあり、文武両道で何事もそつなくこなせる。面倒見もよく、リーダー的存在としてぐいぐい引っ張っていくカッコよさ。そして身長は170㎝もあり、颯爽として凛々しい。ビッチ先生をして「モデルでいける」といわれるほど。そのイケメンっぷりから「イケメグ」と呼ばれる。

なぜそんな彼女が落第クラスであるE組に落ちたのか。
彼女には多川心菜というクラスメイトがいた。その彼女に請われてイケメグが泳ぎを教えた結果、「泳げなかった(事故を起こした)」責任を取らされる羽目になり、家庭教師代わりにこき使われている。そのうちに自分の苦手科目をこじらせて成績が下落してE組行きとなる。

多川心菜が自分の見栄のために、デートで海に行くので泳げるにようになりたいという。
イケメグは海で泳ぐには練習が足りないので続けて練習するようにいうが、
そこそこ泳げるようになった時点で心菜が拒否して練習放棄。

案の定、離岸流で溺れて救助される羽目となる。


「死にかけて大恥かいてトラウマだ」
「役に立たない泳ぎを教えた償いをしろ」

・・・・とまぁ、どこかの民族みたいな感じになっているのですが(笑)


そこからイケメグの「謝罪と賠償」(苦笑)が続くわけで、それはE組に落ちてからも続いている。
イケメグが「ちょっと呼び出しを控えて欲しい」というと、




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「私のこと殺しかけたくせに」と罪悪感を煽るかと思えば、

「(トラウマを抱えているから)支えててくれるよね? 一生」と弱者を演じて情に訴えかける。

これは泳げないことを逆手にとって「愛されキャラで行く」と本人が言っている。


とうぜん渚や茅野たちが「甘えすぎじゃ?」と突っ込むが、
イケメグ「いいよ。もう慣れっこだから」
と諦め気味に返答したところで殺せんせーのお叱りが入る。
共依存に陥る可能性を指摘し、今後の対策を考える。




多川心菜であるが、学校のクラスメイトという小さな関係性においてではあるが、
因果関係の責任の所在をイケメグに問い、そして社会的な立場としての「弱者」を演じることで
救済される「権利」を貪っている。

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「あなたの教え方が悪かったので、私は死にかけた」
教える側がいれば教えられる側がいる。
本来的には双方向であり、教えられる側にも学び習得する姿勢と努力が求められる。
そして教える側として及第に達していなければ離脱を認めないのは当然であるが、
心菜は自己判断によって放棄。

このあたりは自己責任でもあるが、単純にいえば「失敗」を認めたくない。
失敗を認めたくないのならば、「必然的不幸(=イケメグの教え方の悪さ)」による
災厄に巻き込まれたことにすればいい。
そしてその諸悪の根源たるイケメグを追求すればいい。

生命に関わる「死にかけた」ことと、社会的復帰に関わる「トラウマ」になったことを
強調することで「心菜の責任」部分を曖昧にしている。
事態においてまず「被害者」であることを大前提としている。
私ももう責任も取れない。取れる以前に社会的にも人間的にも弱者になってしまったんだよ、と。
あなたのせいで。

そして弱者救済において「被害者は善であり小さなか弱き存在。加害者は悪であり強大な存在」
ような通念がある。先述したが、被害者となればとうぜん相対的に加害者がいる。
事故の被害者をいち早く名乗り上げ、か弱き存在と為り、加害者イケメグの補償を要求する。
ミスでも事故でも自分が傷つくことを認めない。
なのでこれは他人の所為だ、と「他己責任」によって心の平安を保とうとするように思う。


もちろん「大恥かいた」といっているので、自尊心の高さもうかがえる。
私が溺れたのはイケメグの教え方が悪かったのが諸悪の根源と設定してしまっているのは
明白である。心菜の周囲にはイケメグの教授方法の良し悪しなどわかるわけもなく、
おそらくはイケメグが無責任に水泳OKを出した・・・よう装ったことは想像に難くない。

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ただ、実際問題として、イケメグ自体の責任感の強さとともに、
自らに備わる万能感があったのではないかと思われる。
「頼られる自分」というものに、快感を覚えている。「他人」に心の支柱を求めていたようにも思える。
まさに「共依存」である。

そして世間体を気にする面もあったのではないかと。
「イケメグ」として認識されていることにどこか気持ちよさを感じていたのではないか。
心菜によって変な噂を立てられ、ただのメグになってしまうのはイヤだったのではないか。
弱き被害者を救う、強き「加害者」であっても良いと思っていたのではないか。

そのあたりにつけこまれたようにも思える。
そして、そういうことがダメンズに引っかかってしまいやすいことにもつながることを指摘した
即席の紙芝居がコレである。

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ギャンブル、DV、生活費を入れない等々ダメンズ夫である屑殺(くずころ)と
共依存に陥ってしまうイケメグ。あまりにも生々しい描写。
渚母は別として、個人回でここまで突っ込んだ例は他にはない。





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殺せんせーとともに就寝中に誘拐拉致を実行し、夢の中ということにしておいて特訓させる。


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羞恥プレイの真っ最中。
余談だが、消え入りそうなイケメグ、ちょっとだけ照れがある渚に対して茅野カエデは
まったく動揺していない。このあたりはさすが天才子役。


冷静で機転のきくいつものイケメグではなく、適当すぎるネーミングへの突込みに対しても
返しきれない。このあたりも、どうしても「他」や「外面」を気にしすぎてしまうところが出ているか。


「夢の中と思わせなければ我々の行為は拉致監禁です」と冗談に聞こえない台詞の殺せんせー。
イケメグの頭を切り替えさせるには、こういう言い方が良いのかもしれない。
ただ、多川心菜の台詞と似たような感じもないわけではない。

相対的でなければ、アイデンティティが成り立たないところにも弱点があるように思う。
逆に、たとえ不利な条件であっても相対的であれば承諾してしまう「弱さ」が
片岡メグにはあるようで、そのあたりを殺せんせーは見抜いていたようだ。

彼女にしては意外にも進路は明確でない。
CAという目標も、そこまで決定的なものではない。
「外国で仕事がしたいっていってたわね」というビッチ先生に対しても「なんとなくだけどね」と
曖昧に返しつつも、フランス語を習っている。






特訓の結果、多川心菜は無事に独り立ち。
プールの授業でよい記録を出したのをイケメグが見届け、これが決別となった。

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「いまさらレベルは下げれない・・・!」と、感謝のかの字も無い様子だが、
殺せんせーのおかげもあり、どちらも成長の一助になった模様。





磯貝との関係性は、作中では明確にされていないが、地味に進行しているようだ。
どちらも信頼を集める優等生。磯貝の個別回以降、行動を共にする描写が多くなったようだ。
浅野学秀との勝負に挑む磯貝を片岡が心配するといったシーンもある。

設定集「名簿の時間」にて、二人の仲がE組内で噂の種になっていることも明かされている。

単行本最新刊のキャラ紹介において、チャラい前原がクラス全員の女子に声をかけていたことが
明らかにされたが、「友達への義理の為、片岡除く」とあることから、
このカップリングはほぼ確定になった。


磯貝に気を使った前原が片岡さんに声を掛け、片岡さんが気を使って岡野さんを誘い、
いろんな法則と緩衝役で矢田さん(たまに倉橋さん)が入り、
いわゆる一班の関係が出来上がる。アニメでは意外に多いパターン。
 





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学芸会の芝居で竹林とともに離婚調停の弁護士役をするイケメグ。
はまり役である。


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