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「ゴールデンカムイ」  オソマとヒンナ [ゴールデンカムイ]

「『うんこ』と『美味しい』というアイヌ語を強制的に覚えさせる漫画」


これが「ゴールデンカムイ」である。

ゴールデンカムイ @野田サトル  集英社/週刊ヤングジャンプ連載中(2014〜)
『マンガ大賞2016』大賞受賞作
『第22回手塚治虫文化賞・大賞』受賞作

「オソマ=うんこ」で「ヒンナ=美味しい」だ。


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ヤマシギのオハウ(鍋料理)。ヤマシギはフランス料理では高級食材である。



エンターテイメント作品としての出来は素晴らしいが、印象としては「10年後も(再読して)はたして面白いのだろうか?」という疑問があり、単行本の購入は戸惑っていた。しかし、おそらくオソマやヒンナなど、そういったアイヌ語は間違いなく覚えていると思われる(笑)。

私は本格的に立ち読みし始めたのが「姉畑支遁(あねはたしとん)篇」。
「これってあきらかに獣姦だよね?」

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モデルはシートン動物記のアーネスト・シートン+ムツゴロウらしい

一般誌でここまでオモシロおかしく描けることにちょっと感動して読者と化し、単行本を買い始めた。


さて。
「うんこ=オソマ」であり、「美味しい=ヒンナ、ヒンナヒンナ」である。
ただし、本来的には「美味しい=ヒンナ」は誤用である。なんとなく雰囲気的に「美味しい」と解釈してしまっているが、




アシリパ「ヒンナヒンナ」

杉本「なんだい?それ」

アシリパ「食事に感謝する言葉」

アシリパ「私たちは食べながら言うんだ」

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このように「ヒンナ」は本来的には我々の「いただきます」に近く、「神に感謝して(食物を)いただきます」という意味であることに留意したい。

用法を間違うと一瞬で「にわか」とバレてしまう。


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アシリパさんは杉元の持っていた味噌のことを「オソマ(うんこ)」と思っており、料理に入れるのを頑なに拒んでいた。後に、味噌が入っている「桜鍋」を食し、味噌の美味さに気付く。でも味噌のオソマ呼ばわりはやめないのである。アイヌ料理は魚や獣の油脂、特定の植物が調味料としては一般的だったそうで。

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「桜鍋」を懸命に食しようとするアシリパさん。


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その味に目覚める。
しかし、オソマ呼ばわりはやめない。



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味を覚えたあと・・・杉元に、遠回しにねだる。
それでもオソマ呼ばわりはやめない。

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味噌と双璧をなすオソマである「カレー」を見たアシリパさん。
ちなみにエゾシカ肉のカレーである。


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これは、自分の憑神様へのお供えのアイヌの作法。

アシリパさんの反応もそうなのだが、杉元が「郷に入れば郷に従え」を素直にやる人物なのも好感度が高く、またそれが読者を異文化の疑似体験感を与えてくれるのだ。


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毒矢を使う理由も、たしかに理に適っている。
変顔が得意であるが、狩猟の腕は一級品である。
本作中における絶対強者である「ヒグマ」に対しては誰よりも知識と経験がある。



あの名悪役であるラピュタの「ムスカ大佐」をほうふつとさせる、インパクトのある悪役も忘れてはならない。


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「ゴールデンカムイ」に登場する怪人にして敵役・鶴見中尉。情報将校として情報収集能力や知謀が冴えわたる恐るべき人物でありながら、ユーモアがあり、カリスマ性のある人物。日露戦争において無能だった上官や中央を見限り、底知れぬ野望を秘め、北海道に軍事政権にを樹立させようと奮起。軍の上層部にもシンパがいる。

しかし、その真意はまだ不明。

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インテリ系サイコな強キャラであり、理想的上司?とも言われる。部下に無茶な命令や無意味な処罰をした描写はないが、造反者には容赦がない。
地元の有力者への金策や部下の見舞など、意外と苦労している感じの描写がその人気を支えている。

続きはまたの講釈で。

太極拳 みそ73_02png.png

日本の味噌って凄いんだね~と思わせてくれる。

プクサ=ギョウジャニンニクで、これは本当に美味しい。
刻んで入れれば、ただの家庭の焼き飯が中華料理の一品と化す。

デパートや高級系のスーパーで置いているところもある。
2,3月は栽培もの、4,5月は天然ものがメイン。




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