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暗殺教室 過去編という地獄の蓋(タイトル変えました) [暗殺教室]

暗殺教室第18話「決行の時間」観ました。

原作の殺せんせー暗殺決行を上手くまとめた感じで、たいへんテンポが良かったですね。
律が作戦開始の「時間合わせ」を始めて経過時間が表示されるようになったので、
緊迫感が増したと思います。

反面、とどめを刺すスナイパーコンビ千葉くん&速水さんの狙撃シーンはあっさり。
狙撃失敗を律と回想するシーンはコテージ跡ではなくてレストランに変更になってましたが、
無念さを噛みしめる描写はよかったです。
二人がこの失敗を乗り越える、ガストロ戦を早く見たいですね。

ウイルス感染で倒れた前原を介抱する岡野さんの無意識片思いも
反映されてましたし、竹林の冷静さも強調されてました。
寺坂はますます「映画版ジャイアン」ですね。
「名簿の時間」によって公表された裏設定がかなり反映されてきました。

OPアニメーションも一新されました。
ネタバレその1「全員が暗転した状態での立ちポーズ集合」→殺せんせー赴任前のE組。
その2「相変わらず、OPのラストに茅野が一瞬大きめに映る」




暗殺 事故.jpg

さて、「過去編」も大詰めである。
雪村あぐりが死亡し、死神が殺せんせーとなった。
月は月面施設における実験の結果によるもので、殺せんせーの仕業ではない。
殺せんせーが状況を利用した結果でもあり、「月破壊の犯人」となった。
荒唐無稽な存在が、合理的でない要求(E組担任)を穏便にのませるための方便である。
それによって柳沢も立場が助かっている。


過去編はまさに「因縁生起」である。


死神は柳沢の研究をそれとなくアシストし、実験に耐えて超常の力を得た。
そしてあぐりから自分の「死(細胞寿命)」の期限を聞かされ、文字通り「死神」となった。
自分のために命をかけて阻止してきたあぐりを助けられなかったことを悔い、
触手に「最弱の存在」を願った結果「殺せんせー」になる。

あぐりは研究の情報漏えい。監視の立場を超えて親しくなり過ぎた。
そして「婚約者」がいる身で「死神」に思いを寄せる不貞行為。
そして暴走しつつある死神を止めるために(対「死神」兵器に巻き込まれて)死亡。
E組を託す。


暗殺教室139話ネタバレ3.png
柳沢は手中に収めていた筈の婚約者と実験体の裏切りを知り、激怒。
先進的ではあったが、研究の大きな行き詰まり(反物質臓細胞の寿命制御ができない)の
結果の月破壊。脱出する死神と対決し、敗北と負傷。




死神は「殺し屋」として死体の山を築いてきた。
柳沢は、たとえ国籍不明の重犯罪者とはいえ、人体実験を敢行する。
婚約者も名ばかりである。

暗殺e976918e7ec976685aafd905bd974f15.png

あぐりは親が決めたとはいえ婚約者がいる身で、また研究者としての立場を超えて、
「女」であり過ぎた。E組や死神に対する態度はひょっとしたら「母性」的なもので
あったかもしれないが、周りや状況の「都合」を考えず、あくまでも「自己」を貫徹しようとした
独善的なものであったかもしれない。

茅野カエデが「こうと決めたら一直線なんだ」と自分のことを述べているが、
このあたりは実に姉妹らしい。

雪村あぐりと茅野カエデ(あかり)は実の姉妹か?という疑問もあった。
あまり似ていない顔つきと体型(あぐりは巨乳だが、カエデは「永遠のゼロ」)。

あぐりがカエデの可愛らしさを「おねえちゃん、その遺伝子がうらやましいよ」と
コメントしていることからデザイナーベイビーという説もある。
もともと親との関係性が不明であることと、どちらにしても良好とは言い難いので、
そういう推測も無理からぬこと。

※柳沢とあぐりの婚約は政略結婚的であること。
カエデが子役であるにも関わらず親の気配がないこと。
また、椚ヶ岡学園が理事長の独断でどうにでもなるとはいえ、
仮名で入学が出来たこと。現在住んでいる家は「雪村」ではなく「茅野」の表札。

※※神崎さん、竹林、渚を大とすれば、小は木村(キラキラネーム)、
狭間さん(キラキラネーム&毒親)、カルマ(キラキラネーム&放任主義)、
千葉&速水さん(疎遠)、中村さん(素行不良)等
といった親子関係の複雑さが作品では常に描かれているので、上記のような推測も立つ。


暗殺150420an136_02.jpg

一直線なあぐりではあるが無謀ではない。
E組を改変しようとするのには「力不足」であることを認識しており、
監視業務の真っ最中でもE組のことで死神に相談することも多い。
やみくもではない。力の使い方は知っている。
その点ではカエデも同じであり、復讐をするには戦力的に「力不足」であることを真っ先に
理解し、迷うことなく「触手」を装着した。
もちろん、巨大プリン作成時もあらゆる手段を講じて成功させる。

死神が脱出を決行する時、あぐりに「私を止めるためにはあらゆる力が不足しすぎている」旨の
コメントを言い放つ。
その因果が巡って、あぐりの妹が触手という強大な「力」を持って立ちはだかってきたのだ。

暗殺image-54.jpg

落とし穴以上に「触手」に驚いたことは間違いない。


暗殺132-1.png
イトナの時は触手の存在に「激怒」した殺せんせーだが、
この時ばかりは表情が描写されていない理由も分かる。



暗殺IMG_1070.png
手中に収めていたものだけでなく左目も失ってしまった柳沢。


死神も柳沢もあぐりも、みなそれぞれ「力」が欲しかった。
死神は今の現状を変える(脱出する・破壊する)力。
柳沢は世界のエネルギー事情と社会を変える力(新エネルギーの開発と権威)。
あぐりはE組を変える力(個性と教育)。


あぐりは死をもって、死神は「殺せんせー」となった。
柳沢は「シロ」となった。


暗殺 白.jpg
すべてを失い、戦う男・シロこと柳沢誇太郎。






連載当初、「弟子死神」編はずいぶんと失速ぶりが叩かれた。
登場が唐突過ぎた。つまらなくなった。死神がとんだかませだった。そんな具合に。
しかし、殺せんせーが「死神」と正体を明かしてから読み直すと、ものすごく見方が変わってくる。
弟子死神がくどいくらい繰り返した「万に通じる」とか「死神の技術」とか、そういう言葉が
すべて未熟さの表現であったこと。
烏間先生が「おまえ、本当に死神か?」というのは大きな伏線であったこと。
弟子死神が繰り返す自己顕示と、次第にボロが出てくる様子が未熟さであり、
真「死神」の描写とは良い対比になっている。



「茅野カエデ編」も「128話ショック」の盛り上がりを考えると尻すぼみ的な感じは否めなかった。
もっと壮絶な戦いであるとか、茅野カエデが死ぬとか、読者がカタストロフィを望んでいたせいもあるが、
少年誌ではめずらしいディープキスによる”暗殺”が決め手だったとはいえ、
おおかたの意図はもっとわかりやすい「刺激」が欲しかったように思う。
現在「過去編」であるが、過去の死神時代の殺せんせーと茅野カエデの姉・雪村あぐりの
関係性を噛みしめて読み直すと「茅野カエデ編」は実に重い。

暗殺教室 茅野 怪物3.jpg
128話ショックの核であるこの一コマの衝撃度がさらに増す。


不意打ちから、自由落下中での戦闘シーンとも相まって
屈指の名場面であることはもはやゆるぎがない。






追補
ネタバレを読んでしまったのですが、「過去編」が終わるとびっくりするくらい暗くて重い展開・・・。
生殺しに近いこのもどかしさ。タイトルを変えてしまいました。

「茅野カエデ」がまさに本当の「暗殺教室」の始まりだったというわけで、
絵柄から信じられないくらい、重い。


かつてビッチ先生が烏間先生にいった一言。
「殺すってどういうことかわかってる?」
おそらく烏間先生は任務であっても殺した経験はないと思われる。

相手が「人」ならぬタコ型生物であれば、それは容易いが・・・・。

中学生にのしかかる重さ。


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